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あらすじ

第1幕 ヴェネツィアの街角

ウルビーノ公爵は無類の女好きで、毎年欠かさずヴェネツィアのカーニバルへ、女性目当てに出かけている。お目当ては、ヴェネツィア長老会員デラックアの若くて美しいと評判の妻バルバラだった。夫のデラックアはそのことを知りながら、街に多くの寄付金を出してくれるウルビーノ公爵には逆らえずにいた。

そこでカーニバルの間、妻のバルバラをムラノ島へ避難させることにする。ところがそのバルバラは、夫デラックアの甥エンリーコと密かに恋仲っており、何とかムラノ島へ行かずにエンリーコと密会したいと思っていた。

このムラノ島行きの計画を、公爵お抱えの理髪師カラメッロが聞きつけた。情報の出所は、街のパスタ料理人のパパコーダ。パパコーダは、エンリーコとバルバラからチップをせしめては、2人の逢引の手助けをしていた。

その上、デラックア家の侍女チボレッタが恋人であった。カラメッロは主人のために、ゴンドラの漕ぎ手に化けて、バルバラを公爵の所へ連れて行く策を練る。その頃当のバルバラは、漁師の娘で自分の妹であるアンニーナに、身代わりを頼んでいた。アンニーナは、理髪師カラメッロの恋人である。ムラノ島へ行く夜...仮面を付け変装した

アンニーナがゴンドラに乗り込むと、漕ぎ手になりすましたカラメッロは、その人がバルバラの身代わりの自分の恋人アンニーナだとも知らず、真っ直ぐに公爵の元へと舟を進ませた。

第2幕 ウルビーノ公爵邸の舞踏会場

ゴンドラの漕ぎ手に変装していた理髪師カラメッロは、公爵邸に連れてきたのが、自分の恋人アンニーナと分かり驚き、すぐ帰るようにと言う。ところが日頃すぐに他の女性にちょっかいを出す浮気性なカラメッロに、腹を立てていたアンニーナは、公爵に言われるがまま部屋へ消える。去年仮面舞踏会で会ったバルバラの、素顔を知らない公爵。

すっかりアンニーナをバルバラと思い込み、言い寄った。そこへバルバラの夫デラックアが、妻同伴で現れたという知らせが入る。デラックアは公爵に「妻のバルバラを舞踏会に連れてくれば、財産管理人の職を考える」と言われていたので、侍女チボレッタを妻と偽り連れてきたのだ。バルバラが2人..? 美しい女性ならば誰でも大歓迎と、公爵はデラックアの嘘に気付かない振りをして、侍女チボレッタも部屋へ招き入れた。チボレッタの出現に驚いた

アンニーナは、「夫はこの女性と舞踏会へ出席するために、妻である私をムラノ島へ行かせようとしたのだ!」と言った。

第3幕 サンマルコ広場

真夜中の鐘が鳴り、カーニバルも益々盛り上がる。自分の恋人がウルビーノ公爵に口説かれているかと思うと居ても立ってもいられない理髪師のカラメッロと料理人のパパコーダ。そんな中、主人のデラックアの嘘に付き合いきれなくなった侍女チボレッタは、ウルビーノ公爵に自分の身分を明かしてしまう。そしてちゃっかりパパコーダをお抱え料理人にするよう売り込み始めた。デラックアは慌てて「妻は華やかな席が苦手なので、ムラノ島へ行かせた」と言い訳する。公爵は悪戯心で「今すぐ本物の奥様を連れてくれば、財産管理人の件を考える」とデラックアに言い、彼はすぐに妻を迎えに出た。勿論公爵は、本物のバルバラがここにいるアンニーナだと思っているので、管理人の件は本気ではない。バルバラとその侍女両方を手に入れたと思い込んで、満悦している。

そこへいよいよ痺れを切らしたカラメッロとパパコーダが乗り込み、全てを明かす。

公爵は、首を覚悟で恋人を守ろうとするカラメッロに財産管理人、パパコーダにはお抱え料理人の役を与えた。

そしてそれぞれの彼女たちに感謝しなさいと言った。そんな中、バルバラを迎えに行ったデラックアが「妻が誘拐された」と真っ青になり戻ってきた。そこへ「誘拐されそうになったところを、甥のエンリーコに助けられた!」と本物のバルバラが、不倫相手のエンリーコと現れる。デラックアは、まんまと騙され一安心。

カーニバルもクライマックスを迎え、公爵が皆に来年の再会を約束し、ヴェネツィアの一夜に幕が下りる。